「コロナワクチンは治験中」について

新型コロナワクチンに関する情報を調べていると「ワクチンはまだ治験中」という内容をよく目にします。厚労省のQ&Aでも次のように注意喚起されています。

新型コロナワクチンの臨床試験(治験)が終わっていないというのは本当ですか。

通常の臨床試験(治験)のプロセスが省略されているのは本当ですか。

厚労省の回答としては「治験プロセスは省略されておらず終わっています」というもので、私も自分で調べた結果「ワクチンは治験中」という表現は間違いだと思っています。

ただ実態は、この言葉のイメージ通り…というかもっとひどくて人体実験にやはり近いなとは思いますが…

とはいえ「治験中」と言ってしまうと、それは違いますので正しく理解していきましょう。

治験とは

治験とは、人に対して行う臨床試験の一つで、厚労省の承認を得るために必須の試験です。

引用:治験とは | 宇多野病院

「人で新薬の有効性や安全性を確かめる試験」のことを臨床試験といい、その中で厚労省に承認を得るために必須のプロセスが「治験」と呼ばれる、と理解すればよいかと思います。

図にもありますように治験には全部で3段階(第1相~第3相)あり、ざっくり言うと次のように段階を踏んで進めます。

第1相 (フェーズ1):少数な健康な人を対象に副作用などの安全性を確認

第2相 (フェーズ2):少数の患者を対象に投薬量や投薬方法を確認

第3相 (フェーズ3):多数の患者を対象に有効性や安全性を既存役と比較

参考:治験の3つのステップ | 群馬大学医学部附属病院 臨床試験部

ここまでの内容を理解したうえで、今回の特例承認の中身を見ていきます。

先ほどの厚労省QA回答の参考資料にPMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)というファイルがあります。これが特例承認を行った際の実際の審査資料です。

この中身を見ると、確かにフェーズ1~3の治験内容を行ったと報告があります。

審査報告書20Pより抜粋

赤枠を囲った箇所をみるとわかるように、第1~3フェーズ目までを実施しているので確かに「治験」のプロセスは全てクリアしているのです。

「ワクチンは治験中」という情報の発端

ではなぜワクチンは治験中という情報が流れてしまったのでしょうか。

恐らくアメリカ国立医学図書館が運営している「Crinical Trials.gov」というサイトに登録されている、ファイザー・モデルナの臨床試験に関する登録情報が発端かと思われます。以下の赤線箇所です。

ファイザー社のコロナワクチン臨床試験情報 | Crinical Trials.gov

日本語で「試験終了予定日」が2023/5/15となっています。このため承認段階ではまだ試験(治験)が終了していないと認識し「まだ治験中のワクチンを国民に打っている」と発信されたのかと思います。

ここで記載されているのは「治験参加者の2回目参加後2年間の経過観察」に当たる部分かと思います。これはファイザー社からの広報資料にも記載されています。

全ての参加者は2回目接種後2年間、長期の予防効果と安全性を評価するため、観察が継続されます。

「2年間経過観察するなら、それはまだ治験中なのでは?」と思われる方もいるかと思います。(感覚的には私もそうです。)

ただ、これは日本でいう第4相試験(製造販売後調査)にあたるものらしく、日本でいう治験(厚労省承認のための試験)は終わっている、という解釈になります。

このため、現在の日本でのコロナワクチンを正しく表現するなら「治験中」ではなく「製造販売後調査(第4相試験)中」と呼ぶのがよいかと思います。

治験のプロセスはきちんと終えていることはわかった。しかし…

コロナワクチンは従来の新薬承認と同様のプロセスが終えられていることはわかりました。しかし決定的に欠けているものがあって長期間の安全性評価です。

プロセスは省略されていませんが、試験にかけた時間は圧倒的に少ないのは事実なのです。

次の記事でこの点について深堀したいと思います。

▶NEXT:プロセスは省略されていないが、8ヶ月しか治験されていないワクチンであるという事実

ABOUTこの記事をかいた人

愛媛県在住。一児の父です。 2021年11月頃よりブログを開始。当初は主にコロナワクチンの危険性について発信していました。 2022年2月1日に精巣ガンが発覚し治療のため一時記事更新を中断。22年8月現在は病院でお世話になっています。 ブログを更新する元気も戻ってきましたので、ボチボチ再開していきたいと思います。