前回の記事で、厚労省が発表している新型コロナワクチンの副反応報告件数は少なすぎるのではないか、という見解を述べました。
ワクチン接種開始初期の報告頻度は約0.46%でしたが、最近では0.000067%程度にまで減っているためです。あくまで初期の報告数と最近の報告数を比較した内容でした。
今回は少し視点を変えて「そもそも初期の報告数も含めて、本当に全ての副反応を拾えているのか?」という観点で考えてみたいと思います。
今回も厚労省の資料から見ていきます。
参考資料1 新型コロナワクチン「コミナティ筋注」(ファイザー株式会社)添付文書
こちらはワクチン分科会の資料で、ファイザー社が発行しているワクチンの添付文書です。ワクチンの説明書のようなものと考えていただいて良いかと思います。
この資料の中で副反応に関する項目があります。
この資料を見て、何か気付くことはないでしょうか?ここにも副反応報告数との矛盾が隠れています。
例えば「発熱」の件数を見ていただくと、臨床試験時の2回目接種者の内512件が発生しています。その割合は13.6%です。
前回確認した医療機関からの副反応疑い報告(ファイザーワクチン) 資料1-1-1の2Pを見ますと、2回目の接種者数は資料作成時点で81,951,688回です。
わかりますか?つまり真面目に副反応報告を全て集計すれば発熱だけでも1,100万件(約8,200万回の13.6%)くらいはないとおかしいのです。
執筆時点のファイザーワクチンの全報告件数は41,142件です。この中には発熱ももちろん入っています。
厚労省の方々や実際の診療現場で勤務されている皆さまには大変申し上げにくいのですが、どう考えても真剣に情報収集する気がないと感じてしまいます。
なお、ファイザーワクチン添付文書の冒頭には次のように書かれています。
「承認時において長期安定性等に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集中である。」
本当に真剣に情報収集されていますか?医師の方は、すべての疑いを本当に報告していますか?報告しても何もお金ももらえないし、面倒だなと思っていませんか?
「予防接種法に基づく副反応疑い報告制度に基づき報告する」とあります。この文言通り「医者としての判断に基づき報告してるよ」と言われればそれまでなのですが、どうしても疑問を持たざるを得ないと感じてしまいます。